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オレンジ宇宙制作室

2019年1月19日

夜、二人、髪の結び目を切る。

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2018年10月28日

「十一月というのはあれかね、十二月の一つ前のあれかね?」「おっしゃる通りでございます」「十二月というのはあれだろう? 一月の一つ前の」「いいえ、最後のあれでごさいます」「最後? 最後なのか? 一月の前ではないのか?」「最 […]

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2018年10月23日

 今年も十月を踏んづけた。辺りに霧が立ち込める。恐る恐る一歩踏み出すと、また十月を踏んづけた。霧がさらに濃くなる。進むたびに十月を踏んでしまい、霧は一向に晴れない。私は仕方なく真っ白な中を歩いている。

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2018年10月20日

「もう終わりにしよう」 そう言って彼女は、僕に手のひらを差し出す。 僕はうなずいて、彼女の手のひらに「さよなら」を乗せた。 それは彼女の手のひらから滑り落ち、アスファルトの上で形を変える。 往生際悪く「いやだよ」に変わっ […]

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2018年10月7日

「ほら、君の好きなかぼちゃ。パイにしてみたんだ」 どうかな、と彼は微笑む。ベッドの上で体を起こした私にパンプキンパイの載った皿を差し出した。大きな扇型にカットされたパイはこんがりときつね色で、緩くホイップされたクリームが […]

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2018年10月5日

 穴の空いた傘を街灯がプラネタリウムに変える。雨粒の軌跡は流星の尾。銀砂を散らしたアスファルト。いつもと違う歩道の、暗がりに潜む私。

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2018年9月18日

 私の髪はおかしい。温度と湿度と気圧への反応が異常だ。『僕の唇を奪っただろ?』 彼が筆談で尋ねる。怒ったようなその顔には唇がない。「まさか」「あなたのじゃないわ」 私の顔の二つの唇が順に答える。嘘をついたせいで温度と湿度 […]

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2018年9月12日

 エスカレーターを降りるときにつまずいたのを僕が笑ったら、神様はエスカレーターを消してしまった。「僕の記憶を消せば良かったんじゃないの?」 そう聞くと神様は首を振って微笑む。 エスカレーターのことを覚えているのは、世界中 […]

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2018年9月5日

 洗濯機の蓋を開けると、首が入っているかもしれない。

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2018年9月2日

 急に涼しくなると街に人が増えるのは、上着の準備が間に合わなかった透明人間が人間用の上着を羽織って出かけるためだ。

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