こないだのクリスマスにおじいちゃんをもらった。角型なのはお母さんが選んだからだ。　おじいちゃんは便利だ。宿題教えてくれるし、朝も起こしてくれる。お母さんに怒られたらなぐさめてくれるし、何をやっても褒めてくれる。角型だと […]

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　時間をかけてじわじわと殺されて絶滅の危機に瀕していた女の子たちがここ十年ほど増えてきている。その主な要因はお金と開き直りというおおよそ女の子らしからぬものである。耐性を身につけた女の子たちはもう女の子とは呼べないものに […]

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「疑問形？」　彼女が振り返るとスカートの裾が翻る。小雨が髪を飾る。あたしは彼女の後を追いかける。「わかんない？」「ううん、わかる」　赤い吊り橋の真ん中で、あたしたちは並ぶ。「予備のボタン」「青？　白？」「白」　手をつない […]

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　彼女はいつも靴下を片方しか履いていない。かわいそうだと思う自分に吐き気がする。　地下鉄のホームの先頭は少し狭くなっていて、そこに二人でしゃがみこんだ。生温かい金属の柵に寄りかかって線路と平行に二人で並ぶと、ホームドアと […]

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　自由登校になってから初めて学校に行った。ちょうど五時間目だ。廊下の窓から、中庭を挟んだ新棟で二年生が授業を受けているのが見える。ドアを開けると教室には先客がいた。「あ、びっくりした」　窓際の机に座って外を見ていた根岸さ […]

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　いつの間にか脱皮してどこかに飛んでいってしまった。私の中身だった彼女は今どこにいるんだろう？

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　こっそりと窓から抜け出して、あたしは雨の中を走る。今夜は待ちに待った雨だった。　お気に入りのセーターの上にコートを着て、その上に雨合羽を着た。靴は新品の赤いラインの入ったスニーカー。今日のために用意したのだ。　あたしは […]

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