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製品カタログ5「花猫ロケット」収録作一覧

2004年11月25日

 長く伸びた影が、あたしを地面につなぎとめていた。  ただ、悲しいだけ。

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2004年11月25日

 あずさは手を振った。 小さな手だ。 夕焼け色に染まっている。  僕もあずさに手を振った。 やっぱり小さな手だ。 夕日のせいでグレーが濃い。  あずさは僕に背を向けて、歩き出す。 あずさから離れなれない僕は、コンクリート […]

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2004年11月25日

 地下鉄のホーム。 乾いた風が、九番目の彼女の肩をなでる。 ポケットに手を入れた僕の人差し指に、抹茶色のカマキリが傷をつける。「もう何も言わなくていい」 許されないことが怖くて、僕は自分を罰した。 ポケットの中のポケット […]

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2004年11月25日

「僕に足りないピースはどこ?」 そうたずねた僕に、ミドリガメはこう答えた。「手に持ってるの、違うの?」 僕は持っているバームクーヘンを見る。 違う。これは違う。「これじゃ僕にはぴったり合わないんだ」 僕はバームクーヘンを […]

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2004年11月25日

 彼が、チョコミントにチョコはいらないって言う女の子と付き合っていたころ、私は、アズキバーに小豆はいらないって言う男の子と付き合っていた。 私と彼は出会ったけれど、チョコミントの女の子とアズキバーの男の子が出会ったという […]

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2004年4月26日

 朝起きて、ご飯を食べて、自転車で学校まで行く。 適当に友だちと話して、授業に出る。 先生がしゃべるのをBGMにしながら、黒板の文字をそのまま写す。 ふと天井を見上げて、私、本当に起きてるのかなぁ、と思った。 夢遊病みた […]

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2003年12月7日

「おい」 私はベッドの上で、妻に呼びかけた。「死神が来たんだ」 そう言うと、妻は自分のベッドの上で体を起こし、私に言った。「自分のところに来たお客には自分でお茶を出してって言ったでしょ」

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豆本掲載作
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長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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