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製品カタログ18「初夏の描き方」収録作一覧

2014年12月14日

 水平線は空と大地を分けます。 丸は太陽です。 私は点で表されます。 羽が生えたときは点の両側にハイフンが付きます。その場合は画面の上下を入れ替えて、飛び立てないようにします。

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2014年11月14日

「実家を片付けてたら、あなたのことを描いた絵が出てきたの」 二十年ぶりに会った中学時代の友達がそう言って、絵を見せてくれた。一枚目は紙袋を頭から被ったセーラー服の少女、二枚目と三枚目は紙袋の絵だった。

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2014年10月26日

 この辺りでは見慣れない恰好の二人組は、日本から来たと話した。「ずっと東の国さ」「まぁ西にずっと行っても着くだろうけど」 客のほとんどが物珍しがって二人の話を聞いている。「へー、そりゃまた遠くから」「何のために?」「世界 […]

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2014年10月25日

 君は曇った窓に線を一本引く。「海が見える? 大地が見える?」 そう聞かれたけれど、僕は窓に映る影に君の輪郭を必死で探していた。

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2014年10月11日

 身体が重くて、ぐったりとベッドに倒れこむ。踏まれると濁った水が滲み出て、シーツを汚す。サヴァランならきっと良い香りがするのに。

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2014年9月14日

 彼は綿あめの糸で巻いて彼女を閉じ込めたいと思ったのですが、それは無理な話でした。彼女はすり抜けてしまうでしょう。わかっていたので彼は彼女を閉じ込めようとはしませんでした。 彼女は彼に要求します。「足を三本、腕を三本、ち […]

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2014年6月11日

 床に倒れて絶望に浸って愉しんでいると目の前に足が現れた。細い足首。白い肌。見上げようとしたら頭を踏まれた。仕返しに、もう片方の足に手を伸ばしてくるぶしに触れる。指でなぞって円を描くと、薔薇が咲いた。

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2014年1月20日

 サイレンが鳴っている。叶わなかった夢が放流されるようだ。 以前は一つ一つの夢の嵩が大きくてすぐ満杯になってしまっていた。最近は一つ一つは小さいけれど数が非常に多いため、放流の頻度はダムができてからずっと変わっていないら […]

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2011年12月19日

 玄関の前に蛾の死骸がよく落ちている。 手洗いの水道のセンサーがなかなか反応しない。 携帯の電波がいつも一本足りない。 図書館で借りた本に髪の毛が挟まっていることが多い。 それなりに混んでいる電車内で、隣の席がずっと空い […]

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2011年2月16日

 ピアスの穴にコンパスの針を刺して頬紅を塗る。半径8.5cm。

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