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短冊ロマンティカ投稿作一覧

2005年6月25日

 真っ赤な屋根の上から見下ろすと、青い空を背負いながら、きらりと輝く鉄塔が見える。 君はあの鉄塔のずっと向こう。 たんぽぽの綿毛をふうっと吹くと、向かい風に流されて僕に向かって飛んできた。 びっくりして手を動かすと、屋根 […]

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2005年3月17日

 この部屋のアーモンドは、三毛猫のためにある。  この部屋の三毛猫は、パパイヤのためにいる。  この部屋のパパイヤは、地球の未来のためにある。

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2005年2月7日

「僕のおじいちゃんは天使だったんだよ」 そう言ってあの子は、飛んでいった。 もうすぐ、午後の授業が始まる。

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2004年11月25日

 長く伸びた影が、あたしを地面につなぎとめていた。  ただ、悲しいだけ。

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2004年11月25日

 あずさは手を振った。 小さな手だ。 夕焼け色に染まっている。  僕もあずさに手を振った。 やっぱり小さな手だ。 夕日のせいでグレーが濃い。  あずさは僕に背を向けて、歩き出す。 あずさから離れなれない僕は、コンクリート […]

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2004年11月25日

 ススキを掻き分けて見つけたサンダルの片方を、つまさきでつんと押すと、ぷかぷかと揺れながらゆっくりと沖に向かっていった。 きっと、持ち主のもとに向かうのだろう。 ゆっくりと沈んでいった彼女のもとに。

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2004年11月25日

 地下鉄のホーム。 乾いた風が、九番目の彼女の肩をなでる。 ポケットに手を入れた僕の人差し指に、抹茶色のカマキリが傷をつける。「もう何も言わなくていい」 許されないことが怖くて、僕は自分を罰した。 ポケットの中のポケット […]

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2004年11月25日

「僕に足りないピースはどこ?」 そうたずねた僕に、ミドリガメはこう答えた。「手に持ってるの、違うの?」 僕は持っているバームクーヘンを見る。 違う。これは違う。「これじゃ僕にはぴったり合わないんだ」 僕はバームクーヘンを […]

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2004年11月25日

 彼が、チョコミントにチョコはいらないって言う女の子と付き合っていたころ、私は、アズキバーに小豆はいらないって言う男の子と付き合っていた。 私と彼は出会ったけれど、チョコミントの女の子とアズキバーの男の子が出会ったという […]

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2004年7月19日

 幾重にも包み込むような霧。 僕の輪郭は、その霧に溶けるように歪む。 君の乾いた唇がさようならを告げる。 右手を伸ばしたけれど、君はそれをかわす。 輪郭の歪んだ右手は、霧をわずかに散らしただけ。 君が見えなくなったころに […]

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