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オレンジ宇宙制作室

2019年6月11日

 トランクに荷物を入れてもらい、乗り込むと早速聞かれた。「どちらまで?」「明日ってわかります?」「うーん、ちょっと待ってくださいねー」 カーナビを操作してから、運転手は同じ調子で「うーん、出てきませんねー」と首を傾げた。 […]

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2019年6月1日

 左手首の内側にある三点リーダのようなほくろを押すと、設定画面が開いて、私の名前や性別を変更できます。再設定には少し時間がかかりますので、余裕がないときや空腹時は避けてください。

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2019年5月21日

 ドアを開けると案件B。「来ちゃった」 案件Bの背後から現れる案件C。「私も来ちゃった」 部屋の中から「早くー!」と案件Aが急かす。 途方に暮れる僕。

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2019年5月12日

 一昨年は家が建っていた。 去年、家は取り壊された。 今はサーモンピンクのケシが咲いている。 その全てのシーンで、私は同じ靴を履いている。

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2019年5月7日

「先生、私、もうひつじには戻れないのでしょうか」「やはり、つつじの影響が大きくてですね」 説明を聞いている間にも、私は鮮やかなピンク色に染まっていった。

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2019年5月6日

「先生、私の残高はもう助からないのでしょうか」「手を尽くしたのですが」 遠くでかすかに小銭の音が響いた気がした。

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2019年4月7日

 大きな山の上には夜空が広がっていて、夜空は限りの見えない宇宙に続いている。宇宙からはときどき隕石が落ちてくる。だから、畳には小さな焼け焦げがたくさんできてしまった。大きな山は私の部屋にある。

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2019年3月30日

 とても白くてかわいらしい女の子だった。 だから、僕らは雪子と名づけた。「かわいい」 そう言って君が抱きしめたら、雪子は溶けてしまった。 君は泣きそうになって僕を見る。「大丈夫」 僕はそう言って君を抱きしめた。「明日にな […]

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2019年2月6日

 かつんと鳴る踵から、小さな星が弾け飛ぶ。 底が剥がれたつま先は、ぺふんぺふんとため息を吐く。 この踵とつま先が、雨でも雪でも跳ね除けてくれるから。

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2019年1月19日

夜、二人、髪の結び目を切る。

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