OPEN MENU
CLOSE MENU

HOME > オレンジ宇宙制作室 > テーマ100「冬眠の果て」投稿作一覧

テーマ100「冬眠の果て」投稿作一覧

2007年6月17日

「今日はいい天気だ」 日差しに温められたコンテナによりかかり、俺はそう言う。背中のコンテナから、ゴンと音がした。「明日には港に着くぞ」 ゴン。「港に着いたらどこに行くか知ってるのか?」 ゴンゴン。「そうか」 魚の群れでも […]

More >

2007年5月12日

 いつの間にか脱皮してどこかに飛んでいってしまった。私の中身だった彼女は今どこにいるんだろう?

More >

2007年5月12日

 物語の途中で母親の声が途切れ、少女はベッドから体を起こす。見ると母親は椅子に腰掛けたまま眠ってしまっていた。「お母さん?」 少女は控えめに声をかけたが、母親は起きない。今度は大きめに呼んだ。「お母さん! 続きは?」「続 […]

More >

2007年5月12日

 彼の家の外壁には、ちょうど名刺一枚分の厚みと同じくらいの細い隙間がある。 勝手口の横で、目の高さくらい。縦幅はだいたい十センチくらいだろうか。 この隙間は、ピーマンの種を入れるためのものらしい。 彼は子どものころ、間違 […]

More >

2007年5月12日

 三十路を前にしてやっと結婚が決まった。 私は、たんすの奥にしまっておいた両親を取り出し、畳の上にそっと広げる。 成人式以来だから、もう十年ぶりに近い。深く刻まれたしわが年月を物語っていて、私は思わず涙ぐんだ。「お父さん […]

More >

2007年5月12日

 彼女はずっとウサギが来るのを待っていた。 彼もずっとウサギが来るのを待っていた。 彼女は途中で待てなくなって、ウサギを探すため電車に乗った。 彼は途中で待てなくなって、上着を買って帰った。 雪はゆっくりと降っていた。

More >

2007年5月12日

 こっそりと窓から抜け出して、あたしは雨の中を走る。今夜は待ちに待った雨だった。 お気に入りのセーターの上にコートを着て、その上に雨合羽を着た。靴は新品の赤いラインの入ったスニーカー。今日のために用意したのだ。 あたしは […]

More >

豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

ページの先頭へ戻る