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オレンジ宇宙制作室

2018年8月9日

 うなだれた扇風機が巻き上げるひと月遅れの紙吹雪。

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2018年8月1日

 身体は、朝に上って夜には下る。 心は、朝に昇って夜には沈む。 歪な私は、朝に登れず夜には落ちる。

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2018年7月30日

 立ちくらみがするとき、ほんの少し世界がずれる。二千回目に私はきっと振り落とされるだろう。

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2018年7月29日

「腹減ったなー」「そう? 私はまだ減ってないわ」「俺は減ったんだよ」「私はまだよ」 首を振るママにパパは「そうじゃなくてさ」と苛立った声を上げる。「そうじゃないのはパパの方だよ」 僕はテレビを消すと、ママを呼ぶ。「ママ! […]

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2018年7月28日

 なんとなく買ったチョコボールを開けて、私は歓声を上げた。「わー、初めて見る! 銀のエンゼル!」 祖母に見せると、「ちょっと待ってね。確かこの辺に」と、台所の引き出しを探る。「ほら、何枚かあるでしょ?」 祖母が渡してくれ […]

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2018年7月25日

 昔の自分を棚に載せると、ぼた餅が落ちてきた。

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2018年7月24日

 スイッチを押すと、全部のカードが裏返る。何度も繰り返すと、段々と時間差ができていく。一番素早いカードは少しずつ浮いてくるから、それをお守りにして眠りにつく。夜が沈まないように。

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2018年7月23日

 地下に入ると、私の足元に生暖かいものがまとわりつく。くるくると何周かして、駅の冷気にすうっと溶けた。

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2018年7月22日

 窓枠がギラリと光り、私を睨む。柿の葉は手のひらを返し、私を日向に押し出す。アスファルトに足を取られないようにオアシスを目指す。

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2018年7月21日

 結婚記念の置き時計が動かなくなった。 天使が二人がかりで掲げているアンティーク調の時計を彼女はとても気に入っていて、「壊さないようにしようね」と言っていた。それが動かなくなったと知ったらがっかりするだろう。彼女が帰って […]

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