OPEN MENU
CLOSE MENU

HOME > オレンジ宇宙制作室

オレンジ宇宙制作室

2018年1月21日

 チェックインして部屋に入ると、綺麗に整えられたベッドの真ん中に小さな羽虫がいた。飛ぶ気配がなかったため、そっとティッシュで取って捨てた。 晩ご飯を外で食べて部屋に戻ると、またベッドの真ん中に羽虫がいた。仕方ないなぁと思 […]

More >

2018年1月13日

 麺の上に粉末スープとかやくを入れ、容器の内側の線まで熱湯を注ぎ、蓋をします。三分経ったら、爆発に気をつけながらよくかき混ぜて、できあがり。

More >

2018年1月13日

 やけにポップなメロディの後に流れたアナウンスは、もうすぐ取りつく島に到着すると告げた。 あからさまにほっとした彼から目を逸らして、無言で窓の外を見る。だって、まだ到着したわけじゃない。 フェリーの速度は徐々に緩む。 下 […]

More >

2017年12月31日

 30匹の新しい犬が31匹の古い犬を追いかける。逃げ切った古い1匹の犬が空に登るときに脱皮したせいで、斑らの雪が降っている。古くて新しい1匹の犬はぐるっと空を旋回してから地上に降りて、一声鳴いた。夜が明ける。 #三題噺2 […]

More >

2017年12月24日

 良い子にしていても私の家にはサンタが来ないことはわかっていたけれど、悪い子になったらいつかサンタになりたくなったときに不利になる。それなら良い子でいた方がましだ。その程度の気持ちで過ごして、それでも奇跡的にサンタになれ […]

More >

2017年12月24日

 何層にも分かれた彼女を私は監視している。下層の彼女たちは静かな眠りについたけれど、上層の彼女たちは咳を繰り返してうなされている。発酵で発生した気体が一番上の彼女を持ち上げ、下の彼女たちもつられてしまう。私はそれをそっと […]

More >

2017年12月9日

 電極を刺して、骨を温める。熱が伝わり、凍っていた筋肉が溶け始める。皮膚が流れるより前に止めなくてはならないのが難しいところだ。

More >

2017年12月5日

 とても綺麗な芋虫だった。小指ほどの大きさの白い芋虫。薄い皮から透けた桃色が、歩く動きに合わせて揺らめき、オーロラのようだった。頭の先を指でつつくと、ひゅっと縮むのもかわいらしい。 きっと綺麗な蝶々になるのだと思う。そう […]

More >

2017年11月7日

 シリアルを盛ったお皿に豆乳を注ごうとしたら、白い塊が出てきた。うねうねととぐろを巻くようにシリアルの山を飾ったのは、どう見てもソフトクリームだった。仕方がないから、桃缶を切って載せてあげた。

More >

2017年11月7日

「あ、ライン来たよ」 ユリが天を指す。「縄じゃん」「マジ太すぎ。どんだけ目立たせたいんだって」 私の前に垂れ下がっているのは注連縄みたいなラインだった。先端にカナのアイコンが付いている。それを引いてメッセージを受け取ると […]

More >

1 7 8 9 10 11 42
豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

ページの先頭へ戻る