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オレンジ宇宙制作室

2004年11月25日

 彼が、チョコミントにチョコはいらないって言う女の子と付き合っていたころ、私は、アズキバーに小豆はいらないって言う男の子と付き合っていた。 私と彼は出会ったけれど、チョコミントの女の子とアズキバーの男の子が出会ったという […]

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2004年7月19日

 幾重にも包み込むような霧。 僕の輪郭は、その霧に溶けるように歪む。 君の乾いた唇がさようならを告げる。 右手を伸ばしたけれど、君はそれをかわす。 輪郭の歪んだ右手は、霧をわずかに散らしただけ。 君が見えなくなったころに […]

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2004年6月25日

 小さな声と、柔らかな微笑み。 君の頬は、淡く淡く、桜色。 ラムネ色の空に、綿雲が並ぶ。 水玉のスカートが風にひるがえった。

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2004年6月19日

 じりじりとふくらんでいったけれど、火花を咲かせる前に、落ちてしまった。  そんな夏の恋だった。 同人誌「言之葉乃標本箱 其之壱 when the fairy tales fall」収録 「線香花火」に改題して、製品カタ […]

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2004年6月19日

 おばさんの遠慮ない大笑いに辟易しながら、いとこのカンちゃんと並んでスイカを食べた。 庭のひまわりが暑さにぐったりしていた。「水まきは夕方にするんだ」 カンちゃんはそう言った。 スイカを食べるのに、いつもはスプーンを使う […]

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2004年4月26日

 朝起きて、ご飯を食べて、自転車で学校まで行く。 適当に友だちと話して、授業に出る。 先生がしゃべるのをBGMにしながら、黒板の文字をそのまま写す。 ふと天井を見上げて、私、本当に起きてるのかなぁ、と思った。 夢遊病みた […]

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2004年3月7日

 星と月を。 期待と自信を。 昼と夜を。 世界と自分を。 義務と権利を。 私とかつての私を。 チョコレートと台所用洗剤を。 猫と雷を。 大胆と臆病を。 自尊心と劣等感を。 オレンジと宇宙を。  秤にかけて、ただ、ため息を […]

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2004年2月6日

 泣き声が聞こえて、彼女は顔を上げた。 ドアを開けて明るい場所に出る。 最近、電波障害が多い。 その影響で、迷子になってこちらに紛れ込んでしまう子が増えた。 庭の隅で、小さくうずくまって泣いている子を見つけ、彼女は優しく […]

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2003年12月14日

 パズルの最後の一ピース。 ぴったりはまったけれど、なぜか周囲と絵が合わない。 ほんの少しずれている。 そのくらいの違和感を、みんなが感じながら毎日生きている。

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2003年12月7日

にんぎょひめ【人魚姫】  海洋性哺乳類。 上半身は肌色の皮膚、下半身はうろこで覆われている。 手や脳などは人間と同様に発達しているが、尾びれは魚類のものに近い。 目撃例は極端に少ないが、その全部が雌で、雄の人魚姫の目撃例 […]

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