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オレンジ宇宙制作室

2016年10月7日

 今年も十月を踏んづけた。地面が波打つ。その波を越えるとき、天井から吊り下げられた封筒に手が届きそうになる。しかし、わずかの差で届かない。電子音が「確認してください」と繰り返すけれど、届かない。ジャンプするタイミングをは […]

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2016年10月1日

 あなたほど甘くもなく、彼ほどすっぱくもなく、私ほど苦くもない。

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2016年10月1日

「何が詰まっているの?」 そう聞くと、彼は微笑んだ。「コットンキャンディ」 彼は私を抱き寄せる。彼の身体はどこもかしこもふかふかしている。甘い匂い。「味見してみる?」 彼は私に頬を寄せた。「溶けちゃわない?」「大丈夫」  […]

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2016年9月30日

 傘が雨漏りするから、バケツも持ち歩いている。

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2016年9月11日

「ハサミムシに挟まれそうになったのを助けてくれたのが、きっかけなの」 そう言って彼女は頬を染めた。「前に話してた、カミキリムシに噛み切られそうになったのを助けてくれた人はどうしたの?」 そう聞くと、彼女は首を振る。「カミ […]

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2016年9月1日

 田舎で見たコウモリに憧れたらしく、折りたたみ傘の柄が戻らなくなった。晴雨兼用なのに、日差しの下でも雨の中でもなく、たそがれの薄闇が一番似合う。強風に煽られて私の手を離れ、黒い影が空を滑って行った。

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2016年8月25日

 世界からほくろを消すスイッチがある。約三割の人間はほくろがなくなると死んでしまうため、まだ押さない。

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2016年7月31日

 f字孔で型抜きしたニンジンをそうめんに飾って、爪弾く。強く。振動で雨が降る。

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2016年7月9日

 地下鉄の駅を出ると、雨に加えて風も吹いていて、傘を斜めにしないと濡れてしまう。ふと自分の傘の向きと前を歩く人の傘の向きが違うのに気付く。一昨日、ロフトの気温を下げるのに設定を変えて、戻すのを忘れていたのだ。グラデーショ […]

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2016年7月7日

 飛行機雲に沿って割れた空から現れた大きな青い手が、私の首に縫い付けられた点滴のチューブを引っ張る。ぐんぐんと持ち上げられて、私の足はベランダの床から浮いてしまう。思わず掴んだ風鈴が、かちかちと響かずに鳴る。薄い桐の短冊 […]

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