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36、37

 見えない敵と格闘する私。
 見えない私と格闘する敵。
「ずぶ濡れになってまで帰ってきたのに」
 姿は見えないけれど小さな声が聞こえ、少しだけかわいそうになった。
 私は大声で叫ぶ。
「そうだよ! 私が悪いよ!」
 私が悪い。
「でも、納得いかない!」
 思い切り腕を振り回したら右手が何かに当たって、うめき声が聞こえた。

2013年5月16日
豆本掲載作
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長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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