バスを待っていると、肩を叩かれる。振り返ると、うさぎ。白の。二本足で立つ背丈は私と同じくらい。
「お前が俺を狙っていると聞いたが本当か？」
唐突に聞かれる。無表情で怖い。
「狙ってる？」
「食べようとしてるのか？」
「まさか」
二本足で立ってしゃべるうさぎを食べようなんて思えるわけがない。
「本当か？」
「本当に」
「今ちょっと食べるところを想像しなかったか？」
「してないしてない。全然、してない」
「やけに否定するところが怪しいな」
「いやいやいや」
うさぎは探るように私を見る。怖い。
「お前はきっときつね味だな」
うさぎが言うと、バスが来る。私は乗り込む。何かあったときのために明日から傘でも持って通勤しようかと考える。
創作家さんに１０個のお題
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