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十一月三日

 雪の結晶を、三度。回しながら刻みつけると、私の中心は繊維状になった。そっと取り出す。少し黄ばんだそれは、ヘチマのスポンジのようだった。片手で握り、ぎゅっと絞る。溢れ出たものは、かつて球体だった何か。今はもうぐずぐずに崩れて、紫に染まっている思い出。

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長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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