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琥珀糖

 枕元に散らばっている彼女の涙を、戯れに口に入れる。くしゅんと崩れ、とろりと溶けた涙は焼けるほど甘い。ほんの少し薄荷の味がして、それが彼女の無言の抗議のようで、僕は謝る代わりに眠る彼女の頭をそっと撫でた。

2016年6月13日
豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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