OPEN MENU
CLOSE MENU

HOME > オレンジ宇宙制作室 > 毒りんご

毒りんご

 ドアを開けると、りんご。ごろごろと見渡す限り転がっている。踏まないように外に出る。
「この中に一つ毒りんごがあるんだ」
 彼が言う。
「どんな毒?」
「ものすごくおいしい」
「それで?」
「それだけ」
 私は、なあんだ、と一つりんごを拾う。
「死ぬほどおいしいんだよ」
 私は、なるほど、とりんごを持てるだけ拾う。
「アップルパイ、食べる?」

2016年5月1日
豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

ページの先頭へ戻る