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黒いしっぽ

 彼に触れられたとき、ピリッと痺れて、気を失うかと思った。全身の毛が逆立っている。
 強く引きつけられるのを感じた。だからこそ、危険だと思った。
 動けない私の背を、彼の手がそっと撫でる。段々と緊張が解けていく。私は、恐る恐る、彼のブーツにしっぽを絡ませた。
 彼は少し目を瞠って、それから微笑んだ。くすぐられると喉が鳴る。彼は私に名前をつけてくれるだろうか。

2016年4月7日
豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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