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HOME > オレンジ宇宙制作室 > プラチナの透明

プラチナの透明

 肘の高さに見えない手すりがある。地面と平行に、どこまでも私に沿って続いている。そう思うと、倒れそうになっても怖くない。
 そう言うと、彼は「僕じゃ頼りにならない?」と口を尖らせた。
「そういうことじゃないの」
 わからないならいい。でも、それは諦めるのとは違った。
「あなたには秘密」
 私は、見えない手すりに左手を滑らせ、彼の腕を掴んだ。

2016年3月18日
豆本掲載作
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長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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