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赤いサファイア

 彼女の瞳の色が気に入らなくて、青い宝石を押し込んだ。しかし、彼女の流した涙に染まって、宝石は青から赤に変わってしまった。
 俺の表情から落胆を読み取り、彼女は少し困ったように笑った。それがまた癪に障って、俺は舌打ちをする。ますます笑みを深める彼女の瞼に乱暴に口付けて、目尻から溢れた涙を舐めると、苺の味がした。

豆本掲載作
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長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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