まず9は6を乗っ取り、成りすますことにした。それはとても簡単だった。しばらく様子を見たけれど、6が9になってしまったことに気付くものはいなかった。
9に成りすました6と本来の9に挟まれた7と8は、丸められたり切り取られたりして、あっと言う間に9にされてしまった。
そこで、6に成りすました9は正体を現した。すると、逃げられないと悟ったのか、0が白旗を上げた。同時に、9は3に密かに揺さぶりをかける。自身が3の倍数であることを訴え、なんとか寝返らせることに成功した。突如3が9になったことで、残りの1と2と4と5は分断されてしまい、決着が付くまでにさほど時間はかからなかった。
こうして、常に蔑ろにされてきた9が全ての数字を制覇した。
その結果、全ての9が無視され、通し番号ではなくアルファベットで命名されることになったのだった。
9の逆襲
2017年9月14日
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