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ハナレヲン

 色の薄い部屋は空気も薄い。めまいをこらえて扉を押したけれど、びくともしない。
 床のタイルはグラデーションで、奥に向かって小さくなる。藍色のタイルを踏んだら、電車の鳴き声がした。
「閉じこめられてるんじゃない。閉じこもってるんだ」
 七回繰り返して、扉を引くと、外は日曜日だった。

豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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