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サヴァラン

 膝に当たる手を押しのける。
 フォークで切るとジュッと音を立ててシロップが溢れた。洋酒の香りが広がる。
「私のせいにしないで」
 そう言うと彼は不思議そうな顔をした。
 シンプルなタイプのサヴァランはホイップクリームだけが挟まっている。シロップに溶け出しそうなクリームを掬う。
 どちらも私だってことはわかっているのだけど。
「私が悪いって言うなら、それはあなたのせいよ」

2014年10月11日
豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

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