OPEN MENU
CLOSE MENU

HOME > オレンジ宇宙制作室 > おなかがいたかった

おなかがいたかった

 産まれると言っていた彼女が、突然産まれたと言った。
「え? いつ?」
 そんな様子は全くなかったのに。体を起こした彼女は布の塊を抱いていた。
「何これ?」
 思わずそう聞いてしまったのは、その布が光っていたからだ。
「私。そしてあなた」
 彼女はそう言って微笑む。
 少しだけ暖かい風が吹いた。

2011年3月15日
豆本掲載作
その他の印刷物・雑貨掲載作

長編・連載モノなどは「カクヨム」に掲載しています。

ページの先頭へ戻る