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HOME > オレンジ宇宙制作室 > 500文字の心臓投稿作一覧

500文字の心臓投稿作一覧

2018年7月11日

 星間連絡船の中ではぐれてしまったぺぺが見つかったのは三年後だった。港からの通信でハコダテ星かアオモリ星かと飛び出そうとしたら、コウチ星だという。なぜそんなところに。驚くやら呆れるやら。一番はもちろん安心で、家族みんなで […]

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2018年5月22日

 欄干から見下ろす池は、蓮の葉が覆い尽くしている。僅かに覗く水面を錦鯉がちらちらと横切る。 私は緋色の襦袢の裾をからげ、欄干を乗り越え、勢いのまま飛び降りた。 蓮葉は私を受け止めることはなく、水音が箱庭の静寂を壊した。  […]

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P

2017年1月30日

 休み時間のたびに、彼Qはうちの教室にやってくる。私Aの前の席が空なのを見て、あからさまにがっかりした顔をした。「彼女Pは? どこ行ったの?」「さぁ、わかんない」 首を振ったけれど、本当は知っている。彼女Pは彼Bに会いに […]

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2015年6月6日

 彼女の瞳の色が気に入らなくて、青い宝石を押し込んだ。しかし、彼女の流した涙に染まって、宝石は青から赤に変わってしまった。 俺の表情から落胆を読み取り、彼女は少し困ったように笑った。それがまた癪に障って、俺は舌打ちをする […]

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2012年11月1日

 毎朝目の前に立っている男の背後からこちらを睨みつけてくる女をちらちらと窺う彼の隣に本当は座りたいと思いながら対角線上のシートに座る私を隣の車両からじっと見つめているあなた。 第117回タイトル競作【選評】○△×××

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2012年9月17日

 毎朝、玄関ドアの前に大量のカナブンが死んでいる。大小合わせて二十匹を超える。黒いやつも緑色のやつもいる。私は泣きそうになりながら、カナブンの死骸を箒で掃いてまとめ、ビニール袋に入れてすぐさまゴミ捨て場に持って行く。これ […]

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2012年4月8日

 あの日、両親は親戚の法事に出かけ、私は一人で留守番していました。よく晴れていて、外に遊びに行けないのが残念でした。 自分の部屋にいると台所の方から音が聞こえてきました。両親が帰ってきたのだと思って見に行くと、知らない女 […]

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2009年9月4日

 お母さんが再婚して、あたしには新しいお父さんができました。三人の生活も慣れないうちに、今度はきょうだいができることになりました。「男? 女?」「男の子だって」「名前は?」 そう聞くとお母さんは困った顔で首を振ります。「 […]

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2009年3月12日

「ねぇ、まだ見つからないの?」 彼女の声が直接頭に届いた。振り返ると、彼女は形の崩れた頭を両手で支えて、フェンスに寄りかかって座っている。「まだに決まってんだろ」 ここは骨男爵の庭と言われる広い草原。このどこかに骨男爵の […]

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2008年9月12日

 口紅を中指ですくって下唇にのせる。その柔らかさを確かめるようにそっと指を滑らす。私が指を離すと、彼女は一度きゅっと口を閉じ、色をなじませた。「今夜もずっと起きているのですか?」 私が聞くと、彼女は笑った。紅玉で彩られた […]

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